オブジェクトタイプとは、単一のオブジェクト内で似ているが同じではないデータをキャプチャするためにグループ化されたフィールドの集合です。例えば、製品オブジェクトは次の 2 つのタイプを含むことができます: 製剤および医療機器。これらのオブジェクトタイプは、略称や社内名といったフィールドを共有しますが、製剤の用量や医療機器のモデル番号といった業務目的に固有のデータも有しています。
すべてのオブジェクトがオブジェクトタイプを使用するわけではありません。個別のオブジェクトにオブジェクトタイプを有効化して、設定する必要があります。この設定がオンになっている場合、オブジェクト内の各レコードは特定のオブジェクトタイプに属します。例えば、新規製品レコードを作成するユーザは、まずそれが医療機器か製剤かを決定する必要があります。
設定概要
オブジェクトにオブジェクトタイプを使用するには:
- オブジェクト設定でオブジェクトタイプを有効化します。
- オブジェクト内にカスタムオブジェクトタイプを作成します。
- 特定のオブジェクトタイプにフィールドを割り当てます。
オブジェクトタイプを有効化する方法
特定のオブジェクトでオブジェクトタイプを有効化するには:
- 管理者 > コンテンツ設定 > オブジェクト > [オブジェクト] に移動します。
- 詳細タブで編集をクリックします。
- オブジェクトタイプを有効化するチェックボックスを選択します。
- 保存をクリックします。
オブジェクトタイプを有効化すると、Vault は自動的に以下を行ないます:
- 基本製品といった「基本」オブジェクトタイプを作成します。有効化前に存在するオブジェクトフィールドを基本タイプに割り当てます。
- オブジェクト設定領域にオブジェクトタイプのタブを追加します。このタブで、オブジェクト内に存在するすべてのタイプを表示し、新規タイプを作成し、各タイプにフィールドを割り当てることができます。
オブジェクトタイプの作成方法
新規オブジェクトタイプを作成するには:
- 詳細タブから、オブジェクトタイプタブに進みます。
- 作成をクリックします。
- ラベルと複数ラベルを入力します。
- 任意の作業: デフォルト値から名前を変更します。
- 任意の作業: ステータスを無効に変更します。これにより、ユーザがこのオブジェクトタイプ付きのレコードを作成できなくなります。設定が完了するまではオブジェクトタイプを無効に維持することを選択できます。
- 保存をクリックします。
フィールドを割り当てる方法
オブジェクトタイプの主なメリットの 1 つは、さまざまな種類のデータの中で一部のフィールドを再使用しますが、すべてのフィールドを再使用しないことができる点です。
どのオブジェクトタイプにどのフィールドを割り当てるかを変更するには:
- オブジェクトタイプタブで、アクションメニューからオブジェクトタイプフィールドの編集を選択します。
- Vault は、マトリックスグリッドとしてすべてのオブジェクトタイプとフィールドを表示します。特定のオブジェクトタイプにフィールドを適用するチェックボックスを選択します。オブジェクトタイプからフィールドを削除するには、該当するチェックボックスをクリアしてください。オブジェクトタイプのラベル下にあるチェックボックスを使用して全てのフィールドを適用することができます。
- 保存をクリックします。
編集不可フィールド
すべてのフィールドは自動的に基本オブジェクトタイプに適用されます。これを編集することはできません。作成日、作成者、ステータスなど、すべてのオブジェクトタイプに適用される特定の標準フィールドがあります (システム管理フィールドを含む)。必須フィールドは常にすべてのオブジェクトタイプに適用されます。
新規フィールドを作成する
オブジェクトに新規フィールドを作成すると、Vault は、基本オブジェクトタイプにのみそのフィールドを自動的に適用します。新規フィールドを作成したら、それが適用されるその他のオブジェクトタイプにフィールドを割り当てる必要があります。
必須とマークしたフィールドは、すべてのオブジェクトタイプに自動的に適用されます。
必須オブジェクトタイプフィールドを設定する方法
オブジェクトタイプにフィールドを割り当てると、特定のタイプのレコードにのみ必須となるようにフィールドを修正することができます。このオプションは、カスタムおよびオプションのオブジェクトタイプフィールドでのみ利用可能です。オブジェクトレベルで必須とマークされたフィールドはオブジェクトタイプフィールドに適用され、編集することはできません。
必須オブジェクトタイプフィールドを設定するには:
- オブジェクトタイプタブで、希望するオブジェクトタイプ下のチェックマークをクリックして、指定されたタイプフィールドの詳細を開きます。オブジェクトタイプの詳細ページにオブジェクトタイプフィールドも表示されます。
- 編集をクリックします。
- ユーザは常に値を入力する必要があります (必須)チェックボックスを選択します。
- 保存をクリックします。
オブジェクトタイプタブに戻ると、チェックボックスの横にプロパティの上書きを示すアスタリスク (*) が表示されます。また、チェックマークにマウスオーバーすると、ホバーカードのプロパティ上書きラベルの下に必須と表示されます。オブジェクトの必須フィールドのように、必須オブジェクトタイプフィールドはページレイアウトエディタに自動的に追加されます。
オブジェクトタイプフィールドのデフォルトを設定する方法
フィールドをオブジェクトタイプに割り当てる際、このフィールドにデフォルト値を指定することもできます。この値は特定タイプのレコードにのみ適用されます。このオプションは、フィールドデフォルト値がサポートされている場合のみ利用できます。オブジェクトレベルで設定されたデフォルト値は、タイプレベルにデフォルト値があるフィールドで上書きされます。
例えば、修正アクションオブジェクトには、内部とコンプライアンスの義務の 2 つのタイプが含まれる場合があります。これらのオブジェクトタイプは、初回回答期日フィールドを共有しています。内部修正アクションはこのフィールドのデフォルト値を現在の日付から 30 日としているのに対し、コンプライアンスの義務タイプのデフォルト値は現在の日付からわずか 15 日です。
オブジェクトレベルデフォルトを空白または null に上書きすることはできない点に注意してください。例えば、修正アクションベースタイプの初回回答期日のデフォルト値が現在の日付から 30 日の場合、内部タイプでこのフィールドのデフォルト値を空白にする (初回回答期日を設定しない) ことはできません。
必須オブジェクトタイプフィールドを設定するには:
- オブジェクトタイプタブで、希望するオブジェクトタイプ下のチェックマークをクリックして、指定されたタイプフィールドの詳細を開きます。オブジェクトタイプの詳細ページにオブジェクトタイプフィールドも表示されます。
- 編集をクリックします。
- デフォルト値セクションで、リテラル値を入力するか、またはフィールド、関数、演算子タブの項目を使用して数式を作成します。デフォルトのフィールド値の設定について詳しくご確認ください。
- 保存をクリックします。
オブジェクトタイプタブに戻ると、チェックボックスの横にプロパティの上書きを示すアスタリスク (*) が表示されます。また、チェックマークにマウスオーバーすると、ホバーカードのプロパティ上書きラベルの下にフィールドデフォルト値が表示されます。
オブジェクトタイプ選択リストを設定する方法
オブジェクトタイプ選択リストを使用して、異なるオブジェクトタイプ全体で共有する選択リストフィールドに制限を設定することができます。これにより、特定のオブジェクトタイプに関連する選択リストの値を選択することができます。例えば、医薬品と医療機器のオブジェクトタイプは疾患領域フィールドを共有しており、レコードが、腫瘍学、神経学、小児学などの特定の治療分野に属しているかどうかを特定します。医薬品オブジェクトタイプに小児学のみを、医療機器タイプに神経学のみを表示するように、疾患領域フィールドを制限することができます。
オブジェクトタイプ選択リストを設定するには:
- オブジェクトタイプタブで、希望するオブジェクトタイプ下のチェックマークをクリックして、指定されたタイプフィールドの詳細を開きます。オブジェクトタイプ詳細ページのオブジェクトタイプフィールドにもアクセスすることができます。
- 編集をクリックします。
- このオブジェクトタイプに対する選択リストの値を上書きするチェックボックスを選択します。
- 選択された値のセクションから該当する選択リスト値を選択し、それらを使用可能な値のセクションに移動します。適用しない値を削除することもできます。
- 保存をクリックします。
オブジェクトタイプタブに戻ると、チェックボックス横にプロパティオーバーライドを示すアスタリスクが表示されます。また、チェックマークにマウスオーバーすると、ホバーカードのプロパティ上書きラベルの下に選択リスト値が表示されます。
参照制限を設定する方法
異なるオブジェクトタイプ全体で共有されている被参照フィールドに制限を設定することができます。これにより、参照フィールドの使用可能なレコード一覧を、特定のオブジェクトタイプに関連するリスト定義値に制限することができます。例えば、医薬品および医療機器のオブジェクトタイプはアプリケーションフィールドを参照します。これらは異なるタイプのアプリケーションを必要とするため、アプリケーションタイプが指定されたオブジェクトタイプに該当する場合にのみレコードを表示するように、アプリケーションフィールドに制限を設定することができます。VQL クエリを使用してのみオブジェクトタイプの参照制限を設定することができます。
参照制限を設定するには:
- オブジェクトタイプタブで、希望するオブジェクトタイプ下のチェックマークをクリックして、指定されたタイプフィールドの詳細を開きます。オブジェクトタイプ詳細ページのオブジェクトタイプフィールドにもアクセスすることができます。
- 編集をクリックします。
- 被参照オブジェクトのレコードの制限セクションまでスクロールします。
- VQL クエリを入力して条件を定義します。
- プレビューをクリックして、フィルタルール適用後のフィールド選択のプレビューを確認します。
- 検証をクリックして、式構文を検証します。
- 保存をクリックします。
オブジェクトタイプタブに戻ると、チェックボックスの横にプロパティの上書きを示すアスタリスク (*) が表示されます。さらに、チェックマークにマウスオーバーすると、ホバーカードがプロパティオーバーライドのラベル下に参照制限と表示します。
ユーザアクションを割り当てるには
オブジェクトにオブジェクトアクションを割り当てた後に、各オブジェクトタイプの割り当てを絞り込むことができます。アクションを設定してそれを個別のオブジェクトタイプに追加したら、Vault は指定されたタイプのレコードにのみアクションを表示します。オブジェクトではなくオブジェクトタイプにアクションを割り当てることで、設定にビジネスニーズを反映させることができます。さらにアクションレベルセキュリティ (ALS) を使用して、セキュリティプロファイル、ライフサイクル状態、ライフサイクルロールレベルでアクションを制御することもできます。
オブジェクトアクションを割り当てるには:
- オブジェクトタイプタブで、アクションをクリックします。
- アクションメニューでオブジェクトタイプの編集アクションを選択します。
- Vault は、マトリックスグリッドにすべてのオブジェクトタイプと有効なアクションを表示します。特定のオブジェクトタイプにアクションを割り当てるチェックボックスを選択します。オブジェクトタイプからアクションを削除するには、アクションのチェックボックスの選択を解除してください。オブジェクトタイプにすべてのアクションを適用するには、オブジェクトタイプラベル直下のチェックボックスを選択します。
- 保存をクリックします。
オブジェクトタイプを削除する方法
オブジェクトタイプを削除するには:
- オブジェクトタイプタブで、特定のタイプのラベルをクリックして詳細を開きます。
- 削除をクリックします。
- 確認ダイアログで、続行をクリックします。
使用中のオブジェクトタイプは削除できません。例えば、レコードがあるオブジェクトタイプは削除できません。
制限
オブジェクトごとに最大 30 個のオブジェクトタイプを設定できます。