Vault は、ドキュメント作成とドキュメントフィールドのアップロードが一括で行える使いやすい機能を提供し、ほとんどのユーザが使用できます。ただし、マルチチャネルコンテンツでは、ユーザが素早く反復し、1 日で多数のバージョンのドキュメントをアップロードする必要があります。
Engage または CLM 統合を搭載した Vault を使用する場合、マルチチャネルローダはユーザ専用の一括作成・更新の機能となります。以下を一度に実行することができます:
- プレゼンテーションおよびスライドの作成
- プレゼンテーションへのスライドの追加
- 関連サブプレゼンテーションと関連共有リソースの関係の追加
- スライドまたはプレゼンテーションのドキュメントフィールドの更新
- スライドの ソースファイルの更新
- プレゼンテーション内のスライドの順序変更
既存のドキュメントを更新する度に、Vault は、下書きの作成アクションを使用してドキュメントのバージョニングを行い、確実に適正なバージョン管理が行われ、組織が正確に変更を追跡できるようにします。
マルチチャネルローダは、複数のドキュメントで [プレゼンテーションを作成] アクションをトリガーすることもできます。
ローダの仕組み
マルチチャネルローダを使用してプレゼンテーションおよびスライドの作成または更新を行うには複数の手順があります。
- 作成または更新するスライドおよびプレゼンテーションのリストを含む有効な CSV ファイルを使用して開始します。ローダが、CSV ファイルをアップロードして、検証チェックを実行するよう求めます。検証により、データが理に適っているかどうか (例: 新規スライドの必須フィールドに提供される値である) が確認されます。検証でエラーが発生した場合には、CSV ファイルを更新することができます。Vault の設定に問題がある場合には、適切な設定変更を行い、元の CSV ファイルを再検証します。
- バリデーションが完了し、エラーが発生しなかった場合には、ファイルの読込みページに進み、新規または更新済みスライドの配布パッケージを選択します。CSV には、これらの ファイルのファイル名が含まれるため、Vault は、CSV に指定されたスライドに適切なファイルを自動的にリンクすることができます。CRM メディアタイプフィールドおよび CLM コンテンツ/Engage コンテンツフィールドは常に入力しておくことをお勧めします。これにより Vault はドキュメントの配布パッケージを自動生成し、CDN に発行します (必要な場合)。
- ファイルをアップロードした後には、Multichannel ローダが実行するアクションを確認し、それらが正しいものであるかどうかを確認することができます。確認できたら、読み込みを実行することができます。この処理中はログインしたままである必要があります。
- Vault が変更を完了したら、確認メールを受け取ります。メールには CSV ファイルの更新済みバージョンが含まれ、新たに作成されたスライドまたはプレゼンテーションの数字のドキュメント ID のほか、読込み中に発生したエラーに関する詳細が記載された CSV が示されています。これらのエラーには、権限またはアクセスに関する問題が含まれます。例: 正しいドキュメントロールベースの権限を持っていないために、ローダがスライド A を更新できなかった。
ローダを使用して [プレゼンテーションを作成] アクションをトリガーするには:
- 最初に、アクションをトリガーしたいドキュメントを作成します。このようなファイルの作成は、標準ドキュメント作成手順または Vault ローダを使用して行うことができますが、マルチチャネルローダは使用できません。
- CSV ファイルで、アクションをトリガーしたい各ドキュメントに対応する行を追加します。Vault が生成するプレゼンテーションおよびスライドのフィールド値を入力します。
- CSV の name__v および lifecycle__v フィールドは、作成したプレゼンテーションに対応します。slide.name__v および slide.lifecycle__c 列を、作成したスライドに対応するよう追加します。これらのフィールドは [プレゼンテーションを作成] アクションをトリガーする際にのみ使用します。
CSV ファイルについて
CSV ファイルの構造は、Vault の設定により異なります。例えば、他の Vault にはない必須フィールドを持つ Vault があります。
CSV 列
注: 18R1 では、調査およびディレクトリの外部 ID および名前フィールドは、CRM Vault メタデータ同期機能に固有ではないため、マルチチャネルローダに使用できません。代わりに、サーベイおよびディレクトリレコードの ID を使用してください。
この表では、すべての Vault に共通する列を説明します。
コンテンツ | 統合 | 列の見出し | 説明 |
---|---|---|---|
すべて | すべて | document_id__v | 数字のドキュメント ID、API 経由で、およびドキュメント情報ページの URL でドキュメントを参照する際に使用; 新規スライドまたはプレゼンテーションを作成する場合にはこの値を空白とします。既存のスライドまたはプレゼンテーションを更新する場合、ドキュメント ID または外部 ID フィールド値を使用して正しいドキュメントを特定することができます。ドキュメント ID を指定して更新する場合には、CSV 読み込みを使用してドキュメントの外部 ID 値を編集することができます。 |
すべて | すべて | external_id__v | 標準外部 ID ドキュメントフィールド; 既存のスライドまたはプレゼンテーションの更新時に、外部 ID 値を使用してドキュメントを特定することができます。ドキュメント ID も指定した場合には、この行を使用してドキュメントの現在の外部 ID 値を編集することができます。新規スライドまたはプレゼンテーションを作成する場合、外部 ID 値を指定した後、その値を使用して CSV のその他の場所にある項目を参照することができます。 |
すべて | すべて | name__v | 名前ドキュメントフィールドは新規ドキュメントに必須です。(マルチチャネルローダでは自動命名は使用できません。) |
すべて | すべて | タイプ | ドキュメントの種類 (スライド、共有またはプレゼンテーション) を指定します。スライドと共有のドキュメントはどちらも Multichannel スライドドキュメントですが、共有ドキュメントは共有リソースとして設定されます。プレゼンテーションドキュメントは Multichannel プレゼンテーションバインダーです。 |
すべて | すべて | lifecycle__v | スライドまたはプレゼンテーションライフサイクルの名前 (バインダーライフサイクルなど); 新規ドキュメントに必須です。 |
スライド | すべて | プレゼンテーションリンク | 外部 ID 値またはプレゼンテーションのドキュメント ID を使用してスライドが属するプレゼンテーションを示します。 |
スライド | すべて | フィールドのみ | ローダが、フィールドのみを更新するべきか、あるいは新規 ZIP 配布パッケージも更新するべきかを示します; フィールドの更新のみの場合には「Yes (はい)」または「True」を入力します。アップロードする新規ファイルがある場合、「No (いいえ)」または「False」を入力します。 |
スライド | CLM | slide.related_shared_resource__v | 関連共有リソース関係の対象スライドに関する外部 ID またはドキュメント ID |
スライド | CLM | slide.related_sub_pres__v | 関連サブプレゼンテーション関係の対象プレゼンテーションに関する外部 ID またはドキュメント ID |
スライド | すべて | slide.filename | ZIP 配布パッケージのファイル名; 後でアップロードするファイルに一致する必要があります。 |
スライド | すべて | slide.crm_media_type__v | CRM メディアタイプドキュメントフィールド; 考えられる値: 画像、動画、PDF、HTML |
その他 | すべて | プレゼンテーションの作成 | Vault がプレゼンテーションを作成するアクションを開始するかどうかを示します (True、False)。このフィールドを True に設定すると、ドキュメント ID/外部 ID はマルチチャネルプレゼンテーションまたはマルチチャネルスライドではない既存のドキュメントを参照します。 |
スライド | すべて | slide.name__v | プレゼンテーションを作成アクションで生成されたスライドの名前ドキュメントフィールド |
スライド | すべて | slide.lifecycle__v | プレゼンテーションを作成アクションで生成されたスライドのスライドライフサイクルの名前 (CRM コンテンツライフサイクルなど) |
ドキュメントフィールド行の見出しをフォーマットする
CSV にドキュメントフィールドを追加する場合、行の見出しに正しい形式を使用することが重要です。通常のドキュメントフィールドは次の形式を使用します:
[タイプ].[フィールド名]
タイプオプションはslide.および presです。フィールド名には Vault からアクセスできますが、audience_type__c に似ています。
例えば、スライドの CRM メディアタイプフィールドは、CSV 行では slide.crm_media_type__v となります。
注: [プレゼンテーションを作成] アクションを使用する際には、name__v および lifecycle__v フィールドのタイプ接頭辞のみを使用する必要があります。
オブジェクト参照フィールド行の見出しをフォーマットする
オブジェクト参照フィールド (製品略称、研究番号など) の行の見出しを作成する場合、次の形式を使用します:
[タイプ].[オブジェクト名].[フィールド名]
例えば、スライドが参照する製品の製品名フィールドは、CSV では slide.product__v.name__v となります。
使用するオブジェクトフィールドはオブジェクト内で固有のものとする必要があります。疾患領域のように非固有フィールドを使用することはできません。
フィールド値をフォーマットする
CSV では、フィールド値は、フィールドタイプに従って正しい形式に従う必要があります。テキストフィールドや選択リストなどの一部の値では簡単です。以下の表では、より複雑なフィールドタイプに関する詳細を説明します。
フィールドタイプ | 形式 & ルール | 例 |
---|---|---|
はい/いいえ | はいまたはいいえのほか True または False にも対応 | True 対応 |
日付 | yyyy-mm-dd または mm/dd/yyyy 形式に対応 | 2013-03-29 03/29/2013 |
日時 | yyyy-mm-dd’T’hh:mm:ss.sssZ 形式に対応 | 2013-03-29T14:55:03.000Z |
サンプル CSV
CSV での作業開始にヘルプが必要な場合には、このファイル例をダウンロードして、テンプレートとして使用してください。Vault のカスタム必須フィールドをサポートするため、CSV には追加の列が必要になる場合があります。
ローダの使用方法
マルチチャネルローダを使用して新規コンテンツを作成、または既存のコンテンツを更新するには:
- マルチチャネルローダタブに進みます。
- 選択をクリックし、CSV ファイルを選択します。
- 検証エラーがある場合、コンピュータ上で CSV ファイルを開き、ファイルを更新して保存したら、再度アップロードします。Vault の設定が正しくないためにエラーが起こる場合は、Vault の設定を更新して再検証をクリックします。
- 次へをクリックして次のページを読み込みます。
- 選択をクリックし、ファイルを選択します。ファイル名は CSV に指定されるものに一致する必要があります。
- アップロードが完了したら、次へをクリックします。
- 変更を確認します。すべてが正しい場合には、読み込むをクリックして処理を開始します。
- 読み込みステータスのページが開きます。エラーにより読み込みが始まらない場合は、このページが通知します。それ以外の場合は、進捗バーが現在の状況を表示します。読み込みが完了したらメール通知が届きます。ロード処理中はログインしたままにする必要がありますが、このページからは離れることができます。このページから離れると、進捗バーの表示に戻ることはできません。
- 読み込みが完了すると、CRM パブリッシングタブを開いて CRM と同期できます (必要な場合)。
関連権限
以下の権限はマルチチャネルローダのアクションを制御します。
タイプ | 権限ラベル | 制御 |
---|---|---|
セキュリティプロファイル | アプリケーション: マルチチャネルローダ | マルチチャネルローダタブへのアクセス能力; デフォルトで、標準のシステム管理者または Vault 所有者セキュリティプロファイルを持つユーザにのみこの権限が付与されます。 |
ドキュメントタイプ (マルチチャネルプレゼンテーション) | バインダーの作成 | マルチチャネルローダを使用してマルチチャネルプレゼンテーションバインダーを作成する能力 |
ドキュメントタイプ (マルチチャネルスライド) | ドキュメントの作成 | マルチチャネルローダを使用してマルチチャネルスライドドキュメントを作成する能力 |
ドキュメントロール | フィールドの編集 | 既存のドキュメントまたはバインダーのドキュメントフィールド値またはレンディションを更新する能力 |
ドキュメントロール | ドキュメントの編集 | 既存のドキュメントの ZIP ファイルを更新する能力 |
ドキュメントロール | バージョン | 既存のドキュメントまたはバインダーをバージョニングする能力。マルチチャネルローダで更新すると自動的に実行されます。 |
ドキュメントロール | ワークフローの開始 | ドキュメントで [プレゼンテーションを作成] アクションを使用する権限(ドキュメントのアトミックセキュリティ: 有効なワークフローアクションが有効化されていない場合) |
ドキュメントロール | マルチチャネルアクション | ドキュメントで [プレゼンテーションを作成] アクションを使用する能力 (ドキュメントのアトミックセキュリティ: 有効なワークフローアクションが有効化されている場合) |
ローカライゼーション
この機能は他の言語にローカライズされていません。英語のみ対応しています。今後のリリースでローカライズに対応する予定です。